ブロードリスニングとは?社会の声を「見える化」する最先端技術

はじめに:なぜ今、市民の声が重要なのか

現代社会では、多様な価値観が混在し、人々のニーズはこれまで以上に細分化されています。行政がより良い政策・施策を立案するには、多岐にわたる市民の声に耳を傾けることが不可欠です。

しかし、従来の意見収集方法には限界があります。アンケートやカスタマーセンターなどから意見収集だけでは、意見を寄せる層が限られたり、収集から分析までに膨大な時間と労力がかかったりするため、社会全体の多様な声を取りこぼしてしまうことが少なくありませんでした。

そんな中、AIの進化によって、これまで見えなかった「市民の声」をより広範に、そして深く捉える新しいアプローチが注目されています。
それが「ブロードリスニング」です。

 

この記事では、社会の声を「見える化」する最先端技術である「ブロードリスニング」の紹介とそれを活用した分析例について紹介いたします。

目次

1.ブロードリスニングとは?

2.ブロードリスニングの活用ステップ

3.ブロードリスニングがもたらすメリット

4.QUIDを使ったブロードリスニングのイメージ

 

1.ブロードリスニングとは?

ブロードリスニングとは、その名の通り「広く社会全体の声を収集し、AI技術を使ってその声を分析・可視化する手法」のことです。従来の「限られた場所で、限られた人から意見を聞く」という受動的なアプローチとは一線を画します。

この手法では、私たちが日々発信する何気ないつぶやきや意見、問い合わせなど、多種多様なデータを「声」として捉え、最先端のAIがその膨大な情報の中から意味のあるインサイト(洞察)を導き出します。これにより、これまで埋もれていた市民の本音や潜在的なニーズを浮き彫りにすることが可能になります。

従来の分析:
SNSや特定の情報源から情報を収集し、分析ツールや人の手を使って分析するため、分析官の主観やインサイトを出すまでの人的・時間コストがかかる。

ブロードリスニング:
様々な情報源から声を収集し、AIを使って統合的に分析を行うことで客観的なインサイトの抽出、コストを抑えた分析が可能。

 

.ブロードリスニングの活用ステップ

ブロードリスニングは、大きく分けて以下の3つのステップで分析を進めます。

  • 多様なチャンネルから「広く声を集める」
  • AIが「声を分析・可視化する」
  • 分析結果を「政策や意思決定に活かす」

ステップ1:多様なチャンネルから「広く声を集める」
まずは、ありとあらゆる場所から意見を収集します。主な情報源は多岐にわたります。

・SNSの投稿:
X(旧Twitter)やInstagramなどの公開投稿から、特定のテーマに関する市民のリアルな声や感情を収集します。
・Webサイトのコメント欄やレビュー
:
企業の製品やサービスに対する評価、行政の施策への意見など。
・カスタマーセンターへの問い合わせ
:
電話やメール、チャットで寄せられる質問、要望、クレームなど。
・パブリックコメントやアンケート
:
従来の意見募集も重要な情報源です。

重要なのは、特定の層だけでなく、できるだけ幅広い層からの声を偏りなく集めることです。

 

ステップ2:AIが「声を分析・可視化する」
収集された膨大なデータは、AIによって高度に分析されます。人間では到底処理しきれない量の情報から、AIが以下のような分析を行います。

・意見の自動分類、テーマ分け:
例えば、カスタマーセンターに寄せられた膨大な問い合わせから、AIが「料金プランに関する質問」「サービス不具合の報告」「新機能への要望」といったテーマに自動で分類します。これにより、どのような内容の問い合わせが多いのか、傾向を素早く把握できます。

・感情分析:
SNSの投稿内容から、その発言が「肯定的(ポジティブ)」「否定的(ネガティブ)」「中立(ニュートラル)」のどれにあたるかをAIが判断します。例えば、ある政策に対するX(旧Twitter)上での言及を分析し、「期待」「不満」「賛同」などの感情の割合を可視化することで、世論の動向をリアルタイムで把握できます。

・トレンド検出:
特定のキーワードやフレーズがいつ、どのくらい話題になっているかを時系列で追跡します。これにより、新たな社会課題の兆候や、ある話題に対する関心の高まりなどをいち早く察知することが可能になります。

AIは単にデータを整理するだけでなく、その背景にある感情や意図、そして変化の兆しまでを読み解き、分析結果をグラフやダッシュボードなどで分かりやすく可視化します。

 

ステップ3:分析結果を「政策や意思決定に活かす」
AIによって可視化された分析結果は、行政の政策立案などに直接活用されます。

例えば、SNS分析で「特定の地域で子育て支援に関する不満の声が多い」ことが判明すれば、その地域に特化した支援策を検討できます。また、アンケートのデータから「〇〇に関する施策への問い合わせが急増している」ことが分かれば、その施策の改善を優先したり、FAQを充実させたりといった迅速な対応が可能です。


このように、客観的なデータに基づいた意思決定は、より効果的で市民・住民のニーズに合致した施策やサービスへとつながります

 

3.ブロードリスニングがもたらすメリット

ブロードリスニングは、行政だけではなく社会に対しても多くのメリットをもたらします。

市民、住民にとってのメリット:
これまで届きにくかった多様な声が、より広い範囲で行政に届きやすくなります。
自分の意見が政策やサービスに反映される可能性が高まり、社会への参加意識や行政への信頼感が高まります。

・行政にとってのメリット:
効率的な意見収集と分析: 膨大な意見を手作業で分析する負担を大幅に軽減し、より短時間で深い洞察を得られます。

・客観的なデータに基づく意思決定:
経験や勘だけでなく、データに基づいた論理的な判断が可能になり、施策の満足度向上につながります。
・潜在的なニーズや課題の早期発見:
まだ表面化していない問題や、新たなニーズの兆候をいち早く察知し、先手を打った対応ができます。
・迅速な対応と改善:
迅速な対応と改善: リアルタイムに近いデータ分析により、社会の変化やトレンドに素早く対応し、行政サービスや施策をタイムリーに改善できます。

 

4.QUIDを使ったブロードリスニングのイメージ

QUIDの様々なツールを活用することでブロードリスニングを実現することが可能です。以下、QUIDで利用可能な分析の例を紹介します。

多様なチャンネルから「広く声を集める」:
QUIDでは世界3億ドメイン、日本国内10万ドメインの豊富なデータソースから必要なデータを迅速に収集・分析することが可能です。アンケートなどのデータもアップロードすることができ、ソーシャルデータと同様にQUID Monitor上で分析できます。

・投稿から解析した感情を分析:
QUIDでは、感情や文脈を分析するための自然言語解析(NLP)に関する独自の特許技術を多く保持しており、多様な言語を高精度に分析可能です。
さらにQUID社独自に開発した大規模言語モデル(LLM)を使用して効率的な分析が可能です。

・感情の割合と内訳
・感情キーワード

・トレンドとなっているキーワードを分析:
QUID Monitorでは、トレンドとなっているキーワードのスコア分析が可能で、集計期間を変更しながら柔軟な分析が可能です。
また、タイムライン上で複数のカテゴリを分けて分析することも可能で、どのカテゴリがいつ話題になっていて何が話題となっているのかを分析することが可能です。

・トレンドキーワードとスコア

・意見の自動分類、テーマ分け(クラスター分析):
QUID Discoverでは、取得した投稿などのテキストデータに含まれる単語の関連性をAIで可視化(クラスタリング)することが可能です。クラスター(話題の集合体)同士の距離やつながりなどを分析することで客観的な傾向分析をすることができます。

・クラスタリングのイメージ(ネットワークマップ)

・対話式AIで分析をサマライズ・可視化:
Ask QUIDでは、AIを介した対話形式での分析が可能です。掘り下げたいポイントやまとめて確認したいポイントに絞って質問することで効率的に分析を進めることができます。また、分析結果のサマライズやグラフ化も可能で、アウトプットイメージに沿った分析ができます。

・分析結果のサマライズのイメージ
・分析結果のグラフ化のイメージ
 
 

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